【出演者の感想】
「課長、ウクレレを弾いてくださいませんか？」
ああ、この子は何か勘違いをしている。
確かに弾けるとは言ったが、かれこれ20年はウクレレを触っておらず、とても人前で披露するような代物ではないのだ。
丁重にお断りするも、会社の同僚であり、当店（ロスヒターノス）の踊り手でもある佐藤に全く退く気配はない。
佐藤の熱気に押され、つい、OKしてしまった。
当店の40周年イベントで、フラ（メンコ）フラ（ダンス）コラボへの招待でした。
もう忘れてしまったコードの復習から始め、苦悩と緊張の1ヶ月。
おのれの安請け合いを呪いながらも、みるみる内に本番が近づいて来ます。
フラマスター坂平さんの心細やかなサポートがあり、なんとか形になってきました。
後は楽しむのみ、と、自分に言い聞かせながら、本番を迎えました。
久々に込み上げる心地よい緊張感。いざ開演となると、お客さまはなんとも温かく迎えてくれます。
坂平さん、木下さんにより、由緒正しき古典フラととても優雅な現代フラのご披露となりました。
かなりミスりながらもなんとかやりおおせ、次はフラメンコのステージです。
圧巻のパフォーマンスに、お客さまも息を呑みます。
ギターの名手、ぺぺさんによる迫力の演奏に乗り、華麗なバイレ、足音が鳴り響きます。
興奮冷めやらぬまま、フラ・フラコラボ、ビールのCMでおなじみジプシーキングスのVolareで大団円を迎えます。
ぺぺさんの隣でウクレレをかき鳴らし、さも自分が弾いているかのような陶酔に包まれ（笑）、
あっという間に、迫力のステージも終了。
お店の出口でお客さまをお出迎えします。
一緒に写真に納まっちゃったりしながら、まんまとスター気分（笑）。
はぁ、楽しい。
1ヶ月の苦悩と緊張は、とてつもない歓喜と感謝に姿を変えていきました。
ロスヒターノスは、とても温かなお客さまと、朗らかなスタッフの集う、本気のtablaoです。
皆様も是非、騙されたと思って、一度お運びくださいませ。
トリコになること請け合いです。

ウクレレ課長こと北原秀一